2014年のメモ2

 そもそも、アイディア捻出の原則は一つしかない。異質なものどうしを結びつけよ、である。常識の殻を破りたいとは、だれでも考えていることだ。しかし、この殻は非常に頑固なもので、いかに待っても自然に割れてはくれない。異質なものとの結びつきによってのみ可能なようだ。時代の最先端はなんだろう。宇宙船だ。時代遅れのものはなんだろう。キツネツキがある。では、キツネツキの男をロケットに乗り込ませよう…。といった方式で私はSFの発送を得ているわけだが、これは私ばかりでなく他の作家もそうだろうし、また小説に限ったことでもあるまい。

 

星新一「おのぞみの結末」 解説より